実稼動振動形状(ODS)分析
実稼動振動形状(Operating Deflection Shapes; ODS) 分析は、運転中の機械構造物の振動パターンを特定するために使用します。構造物上の複数の点、複数の方向について振動を計測し、その振動パターンを構造物の形状モデルのアニメーションや表形式で表すことができます。
振動の形状は、構造物が持つ動特性と、構造物に加わる力の組み合わせによって決まります。構造物に加わる力は運転条件によって変化します。例えば機械の場合は、エンジン回転数、負荷、温度、流量などの影響を受けます。土木構造物の場合は、波、風、交通など、周辺環境による力も作用します。
ODS 分析は、以下の3つに分類することができます。
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時刻歴 ODS (Time ODS)
時刻歴 ODS は、構造体の振動パターンを時間の関数として分析する場合に用います。スペクトル ODS およびランアップ/ダウン ODS が単一周波数あるいは単一次数の振動パターンを求めるのに対して、時刻歴 ODS は分析周波数範囲内のすべての周波数成分を含みます。時刻歴 ODS は、信号が定常であっても非定常(過渡現象)であっても、ある時点のオーバーオールの ODS を求めるために非常に有用です。
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スペクトル ODS (Spectral ODS)
スペクトル ODS は、構造体の振動パターンを特定周波数または特定次数に対して分析する場合に用います。周波数成分の調査には FFT 分析を用います。このとき信号は定常信号である必要があります。次数成分の解析には次数トラッキングを行い、ほぼ定常な状態でのスペクトル成分の “スメアリング” を除去することができます。その後、異なるスペクトル成分(周波数または次数)の ODS を抽出、シェイプテーブルへの表示とアニメーションを行います。
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ランアップ/ダウン ODS (Run-up/down ODS)
ランアップ/ダウン ODS は、構造体の振動パターンを回転数の関数として、特定の次数のスライスを用いて分析する場合に用います。次数成分は測定前にあらかじめ定義することも(プリスライス)、測定後にコンターまたはウォーターフォールからスライスとして切り出すことも(ポストスライス)できます。ランアップ/ダウン ODS は構造体の騒音・振動挙動とエンジンの回転との関係を明らかにするために役立ちます。
The Structural Dynamic Test Consultants
モーダルテストコンサルタント(MTC)および ODS テストコンサルタント(ODS TC)は、構造の動的試験をシンプルにし、かつ大幅に時間短縮するために開発された PULSE アプリケーションです。MTC と ODS TC を総称して、構造解析テストコンサルタント(Structural Dynamic Test Consultants)と呼びます。ODS TC は、時刻歴 ODS とスペクトル ODS をサポートし、ランアップ/ダウン ODS(BZ-5612)とアニメーション(BZ-5613)をオプションとして追加することができます。分析はリアルタイムで実行するか、レコーディングした時刻歴データをポスト処理して行います。
構造解析テストコンサルタントは PULSE マルチ分析プラットフォームを使用します。ソフトウェアはグラフィカルかつ操作が簡単であり、測定対象物と画面上の形状データを容易に関連付けることができます。これらの特長とあわせて効率的なセットアップ、測定、検証の各ツールを活用することにより、試験を迅速かつ確実に行なうことができます。ODS テストコンサルタントでは結果を即座にアニメーション化でき、また MTC では伝達関数データを元にアニメーション表示することができます。構造解析テストコンサルタントで測定または生成されたデータ(時刻歴波形、スペクトル、形状、DOF(自由度))は、その他のポスト処理ソフトウェア(Test for I-deasやME’ScopeVES)にエクスポートして使用することが可能です。