REq-X : 周波数特性補正機能

By Tommy Schack, Svend Gade, Ole Thorhauge and Peter Sims
24 Feb 2011

REq-Xはブリュエル・ケアーPULSEシステム独自の機能で、トランスデューサの性能を大幅に拡大し、向上させます。ここでは実際にこの技術がどのように動作するかを見ていくことにします。


Technology


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REq-XはPULSEプラットフォームに統合されています
REq-X技術はブリュエル・ケアーPULSEプラットフォームの独自の機能で、マイクロホンや加速度ピックアップの性能を最適化することにより、音響振動分析を大幅に向上させます。

REq-Xではトランスデューサの周波数特性カーブをフラットにすることにより、その設計範囲を超えた周波数範囲まで使用することができます。そして計測精度は最大10dB程度まで向上させることができます。

どのように動作するのでしょうか?

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図1 REq-Xは特性をミラーリングすることによりフラットな特性を得ます

REq-Xの原理はトランスデューサ固有の周波数特性を取得し、その逆特性を求め補正特性とします。補正特性の逆FFTによりインパルス応答を求めます。最後に補正を適用するためにこのインパルスレスポンスを図1のように入力信号に対して畳み込みます。

REq-X技術の最大の利点は、入力信号に対してリアルタイムに等化フィルタを計算するので、結果としてのフラットな特性はそのまま直接分析に使用することができることです。

全てのブリュエル・ケアーのマイクロホンは個別に計測された周波数特性のデータを校正チャートとしてデータディスクで提供されていますが、それだけでなく、異なる音場やアクセサリの影響を補正するデータも含まれています。また、全てのTEDS加速度ピックアップの周波数特性はコード化されたTEDS情報として書き込まれ、PULSEに接続された時点で自動的に認識されます。

異なるタイプのマイクロホン

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図2.

マイクロホンは音場における応答によって3つのタイプに分かれます。それは自由音場、音圧音場、拡散音場(ランダム入射)マイクロホンです。それらは明確に単一の音場用として設計されており、通常は他の環境で使用するべきではありません。

マイクロホンが音場に置かれることにより、音場は乱されます。図2はマイクロホンの前部の音圧が局部的な反射により上昇し、計測誤差となることを示しています。


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図3 自由音場型マイクロホンの特性の違い

自由音場型マイクロホンは音場にマイクロホンが存在しない場合の特性をもち、自身が存在することによって引き起こす影響を相殺するように設計されています。しかし、図3(左)にあるように自由音場型マイクロホンは自由音場で音源に向けてマイクロホンを設置することが前提となっています。ここで、青いカーブは自由音場型マイクロホンをREq-Xを利用せずに拡散音場で使用した場合の特性を示しています。緑のカーブは自由音場でも音源方向に対してある角度を持った場合に、特徴的な周波数特性になることを示しています。

拡散音場型マイクロホンと圧力音場型マイクロホンは意図された音場とは違うエリアで使用された場合に同じような相違が見られます。

そこでREq-Xはマイクロホンに対して何をするのでしょうか?

「REq-Xの最大の特徴は自由音場型マイクロホンを自由音場ではない音場で使用しても、広い周波数範囲に亘って使用することができるということです。」
マイクロホンでREq-Xを利用する場合は、音場に合わせたアクセサリなど約50種類の補正特性が選択できます。これに限らず、元々限られた用途で設計されたマイクロホンを異なる音場で使用する際にも補正することができます。加えてマイクロホンは入射角特性が0、30、60、90、120、150、180°の30°刻みでデータが用意されており、ウインドスクリーンやマイクロホングリッド、ノーズコーンなどの様々なマイクロホン用アクセサリ用のデータも用意されています。これにより計測精度を5dBから10dB程度向上させることができます。


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図4 REq-Xにより平坦化された曲線

もちろん、高品質なマイクロホンは意図された音場で最適な周波数特性が得られるように製造されていますが、よく設計されていたとしても、効果的に周波数特性を拡張することができます。REq-Xを利用することにより周波数特性をフラットにし、その結果として定義された周波数範囲において測定精度を1.5dBまで向上させることができます。

図4は4190型自由音場型マイクロホンを拡散音場で使用した場合の補正の結果です。この場合、およそ10.3kHzにおいて3.7dB向上しています。そしてREq-Xの特徴は自由音場型マイクロホンを広い周波数範囲において設計意図された音場以外でも使用することができるということです。

加速度ピックアップではどうでしょうか?

全ての加速度ピックアップはかなり低い周波数から、共振周波数によって出力が増加する特性によって定義された上限の周波数まで、一定の加速度に対して一定の出力信号が得られます。従来、加速度ピックアップはその共振周波数近傍では計測信号に対して誤差が大きくなりすぎるため、使用することができませんでした。一般的なルールとして共振周波数の1/3まで使用周波数範囲として定義しますが、その場合の誤差は10%または1dBを超えない範囲となります。


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図5 金属クリップで取り付けた場合のREq-Xの優位性
REq-Xを利用すると同じ周波数範囲においては計測誤差を5%まで半減させることができます。その代わりに10%まで許容すれば、周波数範囲を広げることができます。一軸加速度ピックアップの場合、上限周波数は100%拡張できます。他のタイプでも上限周波数を50%程度拡張することができます。

図5は4507型加速度ピックアップを金属クリップで取り付けた場合の周波数特性です。共振周波数は19kHzです。REq-Xを用いない場合は上限周波数7kHzですが、REq-Xにより、上限周波数は12kHzまで伸び、50%以上向上しているのでも上昇し、精度は飛躍的に改善されました。

詳細はどこで見ることができますか?

より詳細についてはTommy Schack、Svend Gade、Ole Thorhaugeによるオリジナルの記事(B&Kマガジンバックナンバー、17ページから)をご覧ください。



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