フェラーリ - スクーデリア・フェラーリ
By Sheelagh Kononenko
22 Feb 2011
スクーデリア・フェラーリは、フェラーリのF1エンジンが2万RPM まで回転したときに起こる問題をエンジンテストベンチで解明することを目的に、このほどPULSE LAN-XIデータ収集システムを導入しました
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Automotive | Case Study
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スクーデリア・フェラーリは80年以上前にエンツォ・フェラーリ氏によってModenaに設立されました。現在まで引き継がれていますが、もともとフェラーリのレーシングチームの名前でした。
フェラーリ - スピード、性能、威信
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| 1929年、エンツォ・フェラーリはModenaにスクーデリア・フェラーリを設立しました。 |
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イタリアのスポーツカーメーカであるフェラーリは、1929年、Modenaにエンツォ・フェラーリによってスクーデリア・フェラーリの名で設立されました。当初、この会社はレーシングドライバーの所属会社としてスタートしました。やがて、アルファ・ロメオのレース技術の最先端となり、1933年にはレース部門をアルファ・ロメオから引き継ぎました。1939年にはエンツォ・フェラーリはアルファ・ロメオを離れ、スクーデリア・フェラーリ本社があったModenaにAuto Avio Costruzioniを立ち上げました。1943年にAuto Avio CostruzioniはMaranelloに移ります。これは後にフェラーリの工場の一部となり、1946年にはMaranelloで最初のフェラーリを設計、製造する会社がスタートしました。1960年、フェラーリは有限会社となり、1969年にはフィアット傘下に入ることとなりました。
MaranelloはModena近郊のイタリア北部にあり、スクーデリア・フェラーリの本拠地、かつ1940年代からはフェラーリのロードカー製造工場の所在地です。工場には25万平米の敷地に45の建屋があり、3000人以上が働いています。この場所こそが情熱、革新、技術を組み合わせてフェラーリのGTやF1自動車を創り出している場所です。同じ場所に1972年に作られたテストコース、フィオラノ・サーキットを有し、ロードカーやレーシングカーのテストに用いられています。フォーミュラ1に参加するには、膨大な投資が必要ですが、自動車レースは常にフェラーリのDNAの一部であり、フェラーリのロードカーはレーシングカーというブランドイメージを得るだけでなく、F1レースから得られる独自の専門技術の恩恵も授かっています。
正しいバランスを得る
F1自動車では、振動は致命的な問題です。新しいFIA(Federation Internationale de L’Automobile: 国際自動車連盟)のルールにおいて、エンジンの寿命を2倍にするため、各ドライバーはシーズンごとに最大8つのエンジンと試験用に4つのエンジンを使うことが許されており(つまり、F1チーム当り20のエンジン)、それぞれのエンジンは2000 km以上走行することが期待されます。試験についても厳しく制限されており、シーズン中には、レースのある週末と予定された練習のとき以外、試験が認められていません。
そのため、バランシングと振動は新しい重要性を帯びてきます。アンバランスは、エンジンの振動の最も一般的な原因です。特に高い速度と信頼性が重要な検討事項である最近のエンジン設計において、バランスは考慮すべき非常に重要な要素です。振動を減らすことで、エンジンの劣化とそれに伴う疲労破壊を防ぐことが可能です。振動の低減は、クランクシャフトの特定の位置に制御の元で質量を加えたり減らしたりてバランスを取ることで実現できます。高い速度域、より高い対重量性能比、そして強化された信頼性が、近年のエンジン設計の重要な要素となるのはやむないことです。バランシングにより、最善の設計、優れた性能、そして高い安全性と信頼性を達成できるのです。
スクーデリア・フェラーリは、Centro Ricerche Fiat S.C.p.A.(CRF;フィアット研究センター)と緊密に連携しています。Centro Ricerche Fiat S.C.p.A.はフィアットグループの技術革新と研究開発の中核を担い、エンジンやパワートレイン開発に重要な振動のターゲットの確立に尽力しています。そのため、世界各地のF1レーストラックを時刻歴、トルク、RPMなどの領域で再現可能なシャーシダイナモベンチで耐久試験が多く行われています。この試験結果は、実際の試験トラックで計測されたデータと比較されます。
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| 図をクリックして拡大 | | エンジン部門長Luca Marmorini氏(左)とブリュエル・ケアー CEO Lars Rønn |
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スクーデリア・フェラーリでは、このほど、F1エンジンの試験ベンチでのバランシング試験用に、6chのPULSE LAN-XIと複数平面バランシングソフトウェアのソフトウェアを導入しました。PULSE LAN-XIシステムでの多チャンネル、リアルタイムのFFT分析、次数比分析、時刻歴データ収録に加え、スクーデリア・フェラーリは、ポスト処理用の新しいアプリケーション、PULSE Reflex coreも2セット購入しました。
過去に、フェラーリはこのバランシング業務を外部に委託していましたが、このシステムでは、1度に1面しか扱えませんでした。新しいシステムにより、今ではフェラーリのエンジニアは試験ベンチのチェックが必要なときにこの業務を実施し、バランシングの問題を提示できるため、相当の時間と費用を節約することができました。さらに、2平面や複数平面のバランシングも実施できます。
PULSEデータ収集分析システムをフェラーリのF1チームの標準振動分析システムとして採用する可能性を探る、という意図があります。フェラーリとブリュエル・ケアーとの関係は30年前にさかのぼり、ブリュエル・ケアーの4393型や4326-A型などの多くのピエゾチャージ型加速度ピックアップや4520型や4525-B型、4526-HT型などのDeltaTron アンプ内蔵型加速度ピックアップなど、フェラーリでは、さまざまなトランスデューサとコンディショニングアンプの膨大な導入実績があります。加速度ピックアップは、主にF1エンジンの振動試験に使用されています。さらに、フェラーリは、F1自動車の振動試験に4393型の加速度ピックアップを使用するのに、2634型 チャージアンプを長年使用しています。
ドライバーとピットとのコミュニケーション
2台目のPULSEシステムでは、マウスシミュレータとイヤーシミュレータを内蔵した4128型 ヘッドアンドトルソシミュレータを組み合わせ、レーシングドライバーとピットのエンジニア間の無線交信の試験が行われています。ドライバーは、ジェット旅客機の離陸時に匹敵する140 dB(A)の騒音にさらされ、小型ラウドスピーカが埋め込まれた特殊なシリコン製の耳栓をして、聴覚を保護すると同時に、無線でピットからの音声を聞くことができます。PULSEベースのソリューションで、このような過酷な状況で確実にコミュニケーションを評価して、会話明瞭度の試験を行っています。
今後の展望
フェラーリのF1トラック試験の担当者は、近くNOTARを評価する予定です。NOTARはLAN-XIデータ収集フロントエンドをPCに接続することなく、内蔵のSDHCカードに直接1モジュール当り最大12chの時刻歴データを収集できるシステムです。実車でのデータ収集のための既存システムの置き換え、さらに将来的にはPULSE Reflexでのポスト処理の可能性を検討することを目的としています。
ブリュエル・ケアーは、今後もスクーデリア・フェラーリとの連携が長く続くことを期待しています。最先端の技術、効果的なサポート、プロフェッショナルなサービスを提供し、スクーデリア・フェラーリの優れたエンジニアとの協力関係によって、価値を提供し続けていきたいと考えています。
画像はフェラーリのご好意により掲載しています。
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