国家計量標準機関(NMIs)で実施されている参照マイクロホンの校正は、実質的に、すべて音圧応答校正です。実際には、自由音場または拡散音場の条件下で最も多く測定が行われるにも関わらず、このような状況です。
幸いなことに、計測用マイクロホンには、音圧音場と自由音場、拡散音場での応答に一定の比率関係が基本的に存在していることです。したがって、音圧音場応答に補正を加えることで自由音場応答および拡散音場応答を決定できます。しかしながら、いくつかの標準機関では自由音場校正技術の開発や、マイクロホンの校正、必要な補正量の決定を行う必要があります。
これまで、製品化された自由音場校正システムが販売されてなかったため、いくつかの標準機関では独自にシステムを開発していました。しかしながら、日常業務として自由音場校正を実現できる計量標準機関は数少なく、その中でも、標準供給できる機関はごく僅かです。
校正の原理のみを見ると、自由音場相互校正は音圧音場より簡単ですが、測定すべき音圧が非常に小さいことが主要因で、技術的にはより困難となっています。しかしながら、数年にわたる徹底した研究の結果、デンマーク工科大学 (Danish Technical University; DTU) が精密なシステムを開発し、そのシステムによる自由音場相互校正は、国際的関心を呼びました。ブリュエル・ケアーは、この研究を、装置および技術改良において支援しました。
このシステムの技術的な内容に関する論文は、ブリュエル・ケアーから公開しています(右のリンク参照)。
2009年秋、中国・成都にある中国計量科学研究所 (NIM) が自由音場一次相互校正システムを導入しました。デンマークの計量標準機関(DFM)からKnud Rasmussen教授とブリュエル・ケアーのErling Frederiksenの支援により、NIMのZhigiang Pu音響研究所長は、Yuchuan Hao副所長とそのチームとともに、非常に迅速に整合性の取れた校正を実現しました。
既知感度のマイクロホンをこのシステムで校正を行った折、Rasmussen教授は「中国のセットアップの再現性は非常に良く、かつ結果も良好です。DFMで、2個の4180型マイクロホンの音圧校正を行った結果と、中国での結果を考慮した偏差は、代表値として0.03dB未満になります」とコメントしています。
Zhigiang Pu氏は、「部屋の空調換気装置のファンからの騒音を低減すれば、さらに良い結果が得られると確信します」と付け加えています。