SLMと騒音計
2007年7月
一般に、"Sound Level Meter(SLM)"を「騒音計」と訳することになっています。一義的に翻訳を行う場合にはそれで良いはずですが、近年、有識者からこの訳語に違和感があると言う声が増えてきました。ここでは、両者の相違を考えてみましょう。
騒音計の定義は、時代とともに微妙に変化しています。第1世代(1960年当時)の騒音計は、アナログ式の指示騒音計でしたから、表示レンジ20dBの針付きメータと10dBステップの減衰器を駆使して、測定するという代物でした。
また、当時の測定対象は、騒音の発生源として問題のあるものが中心でした。その後、騒音計の国際規格もIEC 123/179、651/804、61672と技術進捗に応じて変更されてきました。
よって、現在の最新型の機種は第3(または第4)世代の騒音計と呼べる時代です。しかし、騒音計の技術水準に変化あるとしても、測定対象が音圧の絶対値が必要とされることに変化はないので、SLMの訳は騒音計で良かったはずです。
音圧波形の絶対値を議論するための高性能録音用マイクロホンとして、より広い意味の「音」を測れるようになったことが非常に重要です。実際には、必ずしも「うるさい、やかましい」と思われる音だけが測定対象ではなくなっていました。
つまり、騒音の調査研究以外に、電話機や補聴器の音声や楽器の音の研究などの非常に広い分野で使われるようになりました。(実際に、ダイナミックレンジ120dBの騒音計も珍しくありません。)また、音の「レベル」というよりも音の「波形信号」が必要になることも多くなりました。
その結果、音の良し悪しとは無関係な中立な表現である、カタカナ訳の「サウンドレベルメータ」を使うことが増えてきました。「騒音計」を用いてプロの音楽家の「妙なる音」を測ることは、(研究者に悪意がないとしても)演奏者をノイズソースと同等の扱いしているので、一般向けの論文の表現として好ましい状態ではありません。
このような背景から、現在、騒音計は「サウンドレベルメータ」という言葉が好まれて使われます。さらに、旧来の騒音計と性能面で一線を画する意味も含められています。その一里塚としてJIS C1509-1:「サウンドレベルメータ(騒音計)」があるわけです。これからも、さまざまな種類のサウンドレベルメータが活躍する時代になるはずです。
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第一世代騒音計 2204型 |
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第二世代騒音計 2230型 |
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第三世代騒音計
2238型 |
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第四世代騒音計 2250型 |