世界初の騒音計、50周年
by Leif Sloth Christensen, Sound and Vibration Measurement Specialist
16 Apr 2010
2010年は、すべての騒音計のルーツである2203型のリリース50周年にあたります。
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Technology
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騒音計の50周年記念
2010年、すべての騒音計のルーツといえる2203型が50周年を迎えました。2203型は、トランジスタを用いた世界で初めての精密級の手持ち式騒音計です。21年間にわたり製造され、17,300台の販売台数を記録しています。本機の後継機種である2204 型(インパルス時定数を追加)と2209型(ピーク検波器を追加)を含めた総数は、32,700台に及びます。以下の記事は、当時の記録や関係者の証言にもとづいた、世界初の騒音計についてのエピソードです。
工場からのニュース
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| 半世紀前、ブリュエル・ケアーのテクニカルレビュー巻末の「工場からのニュース」欄に、控えめなアナウンスで製品が発表されました。 |
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ミスター騒音計
「騒音計のデザインで特別だったのは、円錐形のフロント部分でした」 騒音計設計者 Peter Hedegaard |
勤続数十年のベテラン騒音計設計者であるPeter Hedegaardは、騒音計がどのように進歩したかを語りました。
「2203型は世界初の可搬型の騒音計でした。この特殊なデザインの生みの親は私ではありません。P.V. Brüel と Gunnar Rasmussenの二人が着手し、Kay Møller Petersenが実際のデザインを考案しました。このデザインで独特だったのは円錐形の前方部分でした。この形の採用により、マイクロホンの音響特性に大きな影響を与えることなく筐体にマイクロホンを配置できるようになりました。言い換えれば、誰かの助けを借りることなく、騒音計を手に持って操作し、測定を行えるようになったのです。」
1970年10月のMobilia 183号に、次のような内容の文章が見られます。(デンマーク語からの翻訳)「ブリュエル・ケアーは小型でハンディな騒音計を開発しようとしていました。工場や交通機関、その他、移動中の目標を狙うことが想定されていました。開発技術者が直面した課題は、測定器の筐体がマイクロホン側に音を反射するため、測定精度を乱すことでした。その結果、筐体は通常の箱型ではなく、円錐形にする必要がありました。」しかし、このような物理法則や技術的要求に言及しただけでは、全体の半分しか説明したことになりません。
測定アシスタントにさよなら
どこにでも起こり得ますが、アシスタントが片手しか使っていないのは無駄があり最悪です。 |
マイクロホンをケーブルの片側に接続し、その反対側のプラグは、何かで支えるか誰かが手に持つかしている四角い箱に接続します。測定者は片手で測定器を持ちながら、もう片方の手で操作し、マイクロホンを別の誰かに持ってもらうことになります(3番目の手)。しかし、どこにでも起こり得ますが、アシスタントが片手しか使っていないのは無駄があり最悪です。このような理由から、ブリュエル・ケアーは、最も深刻なエラー原因となる測定アシスタントを不要にするという選択を行いました。つまり、測定器に直接マイクロホンを取り付けるようにし、また音の反射による影響を抑えるように測定器の外形を変更しました。その結果誕生した製品は非常に成功しているように思われました。ここで「思われる」という言い方をするのは、自分自身が音響家ではないため、実際に彼らがどのように取り扱っているか直接知ることはできないからです。
日常生活にスマートな小型化技術(携帯電話、mp3プレイヤー、クレジットカードサイズの計算機など)があふれている現在、2203型は特に小型・軽量には見えません。しかし、利用可能だった技術と限られた製造台数を考えると、これは手品のようなものでした。その後、円錐形筐体のコンセプトはすべての競合他社が模倣しました。では次に、いくつかの技術的な可能性と限界についてご紹介しましょう。
2203型の内部
1962年当時、2203型と2211型(Noise Limit Indicator)だけがトランジスタを使った装置でした。その他のすべての測定器は真空管を使っていました。当時入手可能なトランジスタはゲルマニウムタイプでしたが、一般にこのタイプは高ゲイン、低ノイズ、低漏れ電流の要求を満たすことはできませんでした。そのため、トランジスタを選別してクラス分けし、最も重要な場所に最良のものを使うことが必要でした。(抵抗素子についても同じことが行われ、20%許容差のものしか入手できないため、2%のクラスに選別していました。)
マイクロホン用のプリアンプ(前置増幅器)も特別なものでした。プリアンプについては、トランジスタを使うなどまったく考えられなかったため、真空管を使わなければなりませんでした。局部発振器によって直接加熱されたカソードを小型真空管内でトランスを経由して供給すると、真空管をカソードフォロアとして使用できました。真空管は、過度のマイクロホニック効果を避けるため、スプリング装置に固定されていました。
音響特性
マイクロホンと筐体の音響測定を行うことは容易ではありませんでした。当時のブリュエル・ケアーもDTH(後のDTU、デンマーク工科大学)も無響室を持っていませんでした。そのため、吸音材を内張りした寸法2mほどの非対称形の箱に、縮尺1/2の模型を設置して測定を行いました。
この測定セットアップは特に正確というわけではなく、後の測定によって、その音響性能が期待したほどのものではないことが判明しました。マイクロホンを円錐形筐体の先端に直接取り付けた結果、筐体の影響は、予想されていた1 dBではなくて約2 dBでした。これは後に、マイクロホンと筐体の間に「グースネック」を挿入することで修正されました。1965年の精密騒音計の国際規格は、改良を加えながら21年間にわたって製造が継続されたこの2203型に基づいたものでした。
王族とのお付き合い
1960年には控えめな記事で紹介されただけの2203型が、その後上流社会とお付き合いするまでに出世しました。1970年の写真では、着飾ったブリュエル博士がデンマーク国王のフレデリック9世(右から2番目)と王妃のイングリッド(右から4番目)に2203型を紹介しています。その他に、2203型の隣には計測用アンプの内部、背景には発信器、分析器、CRT画面のラックが写っています。
力を合わせて
今日と同様に、1960年代のブリュエル・ケアーのスローガンは「システム一式のすべてを提供します」というものでした。デンマークのコンサルタント会社から寄贈された次のようなセットアップが、その良い例となっています。2203型(中央)からAC出力される周波数重み付け特性Aの信号は4423型ノイズドーズメータ(左上)に送られ、特殊な計算尺によってLAeqに変換できるドーズカウントが得られます。途中の結果については、特注のタイマー(右下)でシャッタを切るカメラ(右)を使って1時間毎にドーズメータカウンタの写真を撮影し、後でデータの読み取りや、変換、文書化をすることができます。
同様に、2305型レベルレコーダはA特性音圧レベルを連続的に記録紙に描くので、文書化する際、簡単に注釈を付けることができます。レベルレコーダのペン位置をアダプタで検出し、ケーブルを介して4420型統計分布アナライザ(右上)の対応する計数器を作動させることによって、統計処理を行うことも可能です。総数カウンタも供給されたため、すべての統計量を計算できました。このようにして、このシステムは高分解能のロギング、統計値、オーバーオール値を提供します。さらに2203型の下側に1613型オクターブフィルタセットを取り付けることによって、周波数分析さえも可能です。
鶏小屋にて
2203型とその周辺機器を用いて現場測定するには、体力と決意、そして抜け目なさを必要としました。オペレータは数日間にわたり鶏小屋に座り込んで、統計分析器(右)の計数器をチェックし、レベルレコーダ(中央)のペン軌跡を監視し、ロール状の記録紙に音響事象の印を付け、さらに1時間毎に記録紙を交換しなければなりませんでした(左、オペレータ)。毛皮のコート、防寒靴、弁当も必要でしたが、悪いことばかりではありません。いい点として、2203型にはソフトウェアのバグが全くありませんでした。
路上にて
右写真の道端の光景を見ると、2203型は注目の的になっています。マイクロホンの高さが標準的な1.2 mになるよう三脚が設置してあり、また1インチカプセル用のウィンドスクリーンが取り付けられており、騒音計が通過車両のサウンドレベルを示すようになっています。落ち着いていて自信に満ちたオペレータは、法定制限値に対してレベルがどの程度なのかチェックし、バイク隊員を派遣して違反者を追跡させます。しかし、この写真については、疑問点がいくつか残ります。
いつ、どこでこの写真が撮影されたのか?なぜサイドカーを必要としたのか?どんなヒントや思いつきでも構いませんので、ご意見をお待ちしております。(参考までに、これらのオートバイは1969-1973年の間に製造されたBMWのR60/5またはR75/5です。)
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