ブリュエル・ケアーの歴史
65年以上にわたり、ブリュエル・ケアーは音響振動計測の分野で多くの技術開発を行うことで、先進的な役割を果たしてきました。多くのスタッフが各分野で有名なエキスパートであり、セミナーや学会での講演や、新しい規格に対する助言を求められることも多々あります。このようなブリュエル・ケアーの専門的知見は、組織内だけではぐくまれたものではありません。私どものパートナーやお客様との密接な協力関係の下、築き上げられたのです。
先駆者そして革新者
ブリュエル・ケアーは、技術革新こそが常に事業の中核であると考えています。この伝統を誇りに思い、お客様の抱える問題解決に挑み続けます。
ビデオ「最先端の革新的な製品」(4min)
マイルストーン
世界初のチャージ型加速度ピックアップから革新的なソリューションや分析システムに至るまで、ブリュエル・ケアーは常に開発をおこなってきました。
- 創業初期
- 1943年 ― 世界初のチャージ型加速度ピックアップ 4301型を販売開始し、振動計測分野に参入。
- 計測用マイクロホンの設計、製造はブリュエル・ケアーの功績のひとつで、安定性と計測精度における新しい基準を定めました。ブリュエル・ケアーの最初の計測マイクロホンシリーズは1950年代に製造され、今なお標準であり続けています。
- 2203型は1960年に登場し、サウンドレベルメータ(騒音計)が一般的な製品として認知されるきっかけとなりました。同じ設計をベースに、1969年には2204型として“ホールド”機能やインパルス検波器が追加されました。その2年後、2209型でさらにピーク検波器が加わりました。トータルで、32,000ユニット以上が販売されました。
- 空港周辺の騒音問題は決して新しい問題ではありません。1966年に世界初の空港騒音モニタリングシステムがフランスのトゥールーズに設置されました。4921型 アウトドアマイクロホンを複数台空港周辺に配置し、よりよい騒音低減プロセスを取ることで、オーバーオール騒音レベルの低減を可能にしました。
- 1977年、2131型 ディジタル周波数分析器は、すべてディジタルフィルタで構成された世界初の分析器として登場し、リアルタイムに1/1、1/3オクターブ周波数分析の実行、表示を可能にしました。いくつかのパーツは、仕様以上の性能を持っていました。“ディジタル”は魔法の言葉です ― 信頼性は10倍向上し、試験や校正にかかる時間は10分の1に短縮されました。
- 1980年代
- 3360型 音響インテンシティ分析システムと3519型 音響インテンシティプローブは、1982年にリリースされました。このシステムにより、連続信号や過渡信号のリアルタイムインテンシティ計測が可能になりました。
- 1983年 ― 2032/2034型 2チャンネル信号分析器により、システム分析や各種の新しい関数を分析できるようになり、ディジタルズームやヒルベルト変換、音響インテンシティやメニュー構造に基づいた使いやすいインタフェースなどの新機能も盛り込まれました。2032型は音響振動分野でFFT分析器として好んで使用されました。
- 2231型 サウンドレベルメータは1983年に登場し、サウンドレベルメータ市場を一変させました。プログラム可能なプラットフォームを持ち、10年以上の製造期間に、ロギングや室内音響、超低周波/超高周波音や人体振動などのさまざまなアプリケーションをリリースし、2231型がこの分野でリーダーであることは疑いのない事実となりました。
- 1986年には、STSF(Spatial Transformation of Sound Fields:音場の空間変換)システムの1号機が販売されました。このシステムは自動車産業界からの強い要求を受けて開発されました。自動車の研究開発エンジニアは測定対象となるエンジンや車体近傍での計測から、特定の位置での音圧や音響インテンシティなどの音響パラメータを得ることを望んでいました。
- 1990年代
- 1991年、ブリュエル・ケアーはデンマーク政府より、デンマーク工科大学と共同でデンマーク音響中央研究所(Danish Primary Laboratory of Acoustics:DPLA)の運営を委託されました。
- サウンドレベルメータのデザインを刷新し、1993年に2236型をリリースしました。2236型は、それ自体が非常に優れた積分形サウンドレベルメータであるだけでなく、2237型、2239型、さらにはモジュールプラットフォームの形を取った、2238型 Mediatorの基礎となりました。
- 1994年には、2260型 Investigatorとして知られるモジュール型精密騒音計が登場しました。PC(当時のPDA)上でディジタル信号処理を用いることで、2260型 Investigatorはハイエンドの騒音計市場でトレンドを築きました。サウンドレベルメータを超え、多機能なプラットフォーム上に建築音響や音響インテンシティ計測、FFT分析などの高度なアプリケーションを実現しました。
- 1995年 ― ブリュエル・ケアーは第3世代環境騒音予測計算ソフトウェアPredictorと測定データによる予測計算補正を組み合わせ、騒音予測計算の市場に参入しました。この参入と同時期に市場はグローバルに成長を見せ、それにより、予測計算におけるパートナーシップを形成することができました。このパートナーシップにより製品の販売、サポートで、新たな方式を取ることが可能になりました。
- 1996年には、ブリュエル・ケアーの分析器の主力となる、Windowsベースのマルチ分析システム、3560型 PULSEをリリースし、マルチ分析というコンセプトをパイオニア的に取り入れました。これは、現象が起こっているときにリアルタイムで結果を確認しながら、必要な分析をすべて同時におこなうことができることを意味します。この柔軟かつ拡張性を持った自由な音響振動計測分析システムは、今日までに10,000システム以上販売されました。
- 1999年に、ブリュエル・ケアーとENDEVCOは協調関係を結びました。ENDEVCOの衝撃振動計測における専門的な技術とブリュエル・ケアーの音響に関する長年の経験を組み合わせ、両者の製品販売ネットワークを統合して、お客様に高品質の製品を短時間でお届けし、突出した技術サポートを可能にしました。
- 1999年には、PULSEのコンセプトは更なる飛躍を遂げました。データ収集ハードウェアを刷新し、バッテリー駆動の2チャンネルのポータブルシステムから128チャンネルの試験室システムまで、幅広い展開を見せました。
- 2000年代
- 音響振動のグローバルコンピテンスセンターとして、2000年にブリュエル・ケアー ユニバーシティを開校しました。基礎や応用の各種講習会や、幅広い分野のアプリケーション、理論、製品に関するトレーニングを実施しています。
- 2002年には、大きな測定対象物を一度のマッピングですばやく捉えることができる、ビームフォーミング技術が登場しました。ゴースト画像を排除できるホイールアレイ(特許取得)とPULSEビームフォーミングソフトウェアで構成されています。
- 2003年、4295型 Omnisourceをベースに、全指向性の体積速度音源をリリースしました。自動車産業で重要となる50 Hzから約6 kHzまでの周波数帯域をカバーします。
- 2つの重要な技術革新が、2004年にもたらされました。人間工学に基づいた特徴的なデザインにより各賞を受賞した2250型 ハンドヘルドアナライザと、特許出願中の新しいマイクロホン製造技術を初めて用いた4948型 サーフェスマイクロホンです。サーフェスマイクロホンはAirbus社との協力の下で開発され、スペースの限られた場所や、従来のマイクロホンとプリアンプの組み合わせではフラッシュマウントできなかったり、不適切なサイドエフェクトを引き起こしたりする場合に音圧(騒音)を計測することを目的としています。自動車計測用も開発されました。
- 2005年、近距離場音響ホログラフィ(NAH)の計算手法が持つ2つの限界を、統計的最適化近距離場音響ホログラフィ(SONAH)手法により克服しました。SONAHにより小さなアレイを使ったホログラフィ計測が可能となり、小さなアレイでのリアルタイムホログラフィも実現されました。さらに、ブリュエル・ケアー独自のDyn-X技術により、単一の160 dB測定レンジで計測が可能になりました。予備測定は不要となり、オーバーロード、アンダーレンジも起こりません。トランスデューサ信号の代わりにシステムノイズを測ってしまうようなこともありません。
- 2006年 ― 周波数応答補正(Response Equalisation Extreme: REq-X) - 加速度ピックアップ、マイクロホンやカプラの周波数特性をリアルタイムに平らに、かつ拡張することができる新技術です。トランスデューサを高精度な計測に使用できる周波数範囲がさらに広がります。
- 2007年、先進の2チャンネル小型分析器、2270型 ハンドヘルドアナライザがリリースされました。
- 2008年には、LAN-XIデータ収集ハードウェアが登場しました。モジュール型ハードウェアによる汎用システムで、モジュール単体をフロントエンドとして使用したり、分散モジュール配置を構成したり、11モジュールを搭載したフレームとして使用したりすることができます。
- 2008年、ブリュエル・ケアーは、宇宙産業向け大規模振動試験システム市場のリーダーであるLDS Test and Measurement社を取得しました。LDS社の取得により、動電型加振器や加振台、アンプ、LaserやCometシリーズの振動コントローラなどが、ブリュエル・ケアーの製品群に加わりました。
- 2008年、ブリュエル・ケアーとENDEVCOの協調関係を解消。
- 2009年、オーストラリアのLochard社を取得することで、ブリュエル・ケアーは卓越した環境騒音マネジメントソリューションのご提供を開始しました。
- 2009年、さらに2つの技術革新がもたらされました。音場を問わず精度の高い計測を行うための世界初のマルチフィールドマイクロホン(4961型)、そして新たなポスト処理ソリューションとしてPULSE Reflexがリリースされました。